床をきれいに見せ保護する役割を持つワックスの種類は大きく分けて「樹脂ワックス」「半樹脂ワックス」「水性ワックス」「乳化性ワックス」の四種類です。
いずれも異なる特徴を持っており、使用できる床材も違うため、床のメンテナンスを行うときは床材に合わせたワックスを選ぶ必要があります。
今回は、ワックスの種類ごとの特徴やワックスが使われる床材をご紹介します。
ワックスの種類
樹脂ワックス
ウレタン樹脂やアクリル樹脂などを主成分としたワックスで、ビニール床、木材、石材、さらにコンクリート製の床にも塗布できることから、現在もっとも使用されているワックスといえます。
樹脂ワックスを使うと光沢のある床に仕上げることができるだけではなく、ワックスの耐久性が高いためメンテナンスの手間を減らすことができます。
樹脂皮膜は耐水性もあるので水やコーヒーなどをこぼしてもシミになりにくいというメリットがあります。
ただし、木材のなかでも「無垢材」には適していません。
半樹脂ワックス
半樹脂ワックスは「樹脂ワックス」と「水性ワックス」の中間の性質を持ったワックスで、主にクッションフロアなどのビニール床に使用されます。
半樹脂ワックスでできる皮膜は、表層が水性ワックスと同じ「ロウ」、内層が樹脂ワックスと同じ樹脂のフィルムで形成されるため、樹脂ワックスのような光沢感を持ちながら、水性ワックスのように剥離・再塗装がしやすいという特徴があります。
耐久性は水性ワックスよりはありますが、樹脂ワックスよりは劣りますので、製品によって違いはあるものの、数年おきにワックスがけを行う必要があります。
水性ワックス
天然または合成のロウを主成分とした水性ワックスは、半樹脂ワックス同様ビニール床に使用されます。
水性ワックスは樹脂ワックスなどとは違い、塗っただけでは床に光沢が出ず、光沢を出すためには乾拭きが必要となります。
剥離がしやすく再塗装がしやすいというメリットがありますが、逆をいうと容易に剥がれて耐久性が低いということでもあり、数カ月に一度のペースでワックスがけを行わなくてはならないということでもあります。
また、ほかのワックスに比べて滑りやすいため、高齢者や小さな子どもがいる家庭には向いておらず、最近はあまり使用されていません。
乳化性ワックス
塗装などが行われていない無垢材に使用されるワックスで、ロウ、合成樹脂、揮発性溶剤を成分としています。
木材の床に適度な光沢を出してくれるため、日本家屋や寺社仏閣の床、バンガローなどに使われます。
まとめ
床材によっては使用できるワックスの種類が限られてしまいますが、ビニール床など使用できるワックスの種類が多い場合、仕上がりの光沢感やメンテナンス性、耐久性などの特徴を比較し、自分好みのワックスをかけることができます。
ただし、一度ワックスをかけた床に新たなワックスをかけるときは「ワックス剥離」を行う必要があり、樹脂ワックスなどの高耐久ワックスは剥離作業が難しくなりますので、ワックスを選ぶときは再塗装や剥離の手間も考えたうえで選んでください。
また、ワックスの剥離や再塗装を行うときは、プロの業者に依頼することでよりきれいな仕上がりにすることができますので、ワックスがけやワックス剥離をご希望の方は一度ご相談ください。