飲食店の厨房や一般家庭のキッチンに使われる換気扇などの排気設備には、シロッコファン、ターボファン、プロペラファンの3種類があります。
どのような違いがあるのでしょうか?また、どのように掃除すればよいのでしょうか。
それぞれのファンの違い
プロペラファン
プロペラファンは、いわゆる昔ながらの「換気扇」のことです。
壁の穴に取り付けられた扇風機のような羽で空気を吸い込み、ダクトなどを介さず直接排気を行うシンプルな構造です。
シロッコファン
シロッコファンは「レンジフード」に使われるタイプのファンで、縦長の板状の羽が筒状に取り付けられた形をしています。
プロペラファンを使った換気扇は、屋外に空気を直接排気しますが、シロッコファンを使ったレンジフードでは、吸い込んだ空気を排気ダクト内に流し、ダクトから屋外に派出するという構造になっています。
屋外の壁に面していない場所にも取り付けができるため、近年人気が高まっているアイランドキッチンなどに採用されています。
ただし、排気がダクトを経由するため、ファンだけではなくダクトのお掃除も必要になるというデメリットがあります。
ターボファン
ターボファンはシロッコファン同様、筒状の形をしたファンですが、シロッコファンに比べて羽が広く、枚数が少ないという特徴があります。
また、シロッコファンの羽は入口から出口までまっすぐついていることが多いのですが、ターボファンの羽は少し斜めについており、シロッコファンとプロペラファンの中間というような形状をしています。
羽が少ないことからファン自体の排気効率は同じ直径のシロッコファンに比べてやや低くなるもの、シロッコファンよりも早く回転できるため、排気効率は高くなります。
シロッコファンよりもファンの奥行きが短いため、レンジフードを浅く作ることができ、すっきりした見た目に仕上がります。
家庭用はもちろん、業務用にも多く利用されているタイプです。
掃除方法
重曹やセスキ水でつけてから洗う
調理で出た蒸気を吸い込むレンジフードや換気扇は、油汚れがこびりつきやすい場所です。
油汚れは酸性の汚れですので、重曹やセスキ水などを使うときれいに落とすことができます。
ファンを取り外して重曹やセスキ水をスプレーし、30分~1時間程度置いてから40℃程度のお湯で丸洗いしましょう。
洗っても汚れが残った場合は、柔らかいブラシを使ってこすり洗いをします。金属たわしなどを使うとファンに傷がつくので使用しないでください。
シロッコファンは取り外してつけ置き洗いがおすすめ
羽の枚数が多いシロッコファンは隙間に手が届きにくく、プロペラファンやターボファンに比べて掃除がしにくくなります。
つけ置き洗いであれば、手が届きにくい隙間の汚れもきれいに落とすことができ、一枚一枚にスプレーをかける手間も省くことができます。
シロッコファンが入るサイズの箱にポリ袋を入れ、袋の中にファン、洗剤、40℃程度のお湯を入れて30~1時間程度つけ置きします。
お湯で洗剤を流しながら残って汚れをブラシなどで洗い、十分乾燥させてから取り付けてください。
プロペラファンやターボファンも同じ方法で掃除ができます。
カバーなどの掃除も忘れずに
換気扇やレンジフードはファンだけではなく、カバーやフィルターなどさまざまなパーツで構成されています。
ファン同様、使用するうちに油汚れがついてしまいますので、取り外して丸洗いできるものは洗い、取り外しができないものは重曹やセスキ水を使って拭き掃除するとよいでしょう。
まとめ
シロッコファンとターボファン、プロペラファンは、それぞれ構造に違いはあるものの、用途や手入れの仕方は基本的に同じです。
掃除を怠ると排気効率が低下するほか、溜まった油汚れが原因で火災が起きたり、設備が破損したりすることもあるため、定期的に掃除するとよいでしょう。
また、ファンの取り外し方法がわからない、しつこい汚れがついて取れない、ダクトのなかも掃除したいというときは、プロによる掃除をご検討ください。