グリストラップは、日本語に訳すと「油水分離阻集器」という名前の通り、水分と油分を分離する役割を持つ装置のことで、グリス阻集器、油脂分離槽と呼ばれることもあります。
排水と一緒に油脂が流れると排水間の詰まりや破損の原因となるため、建築基準法で義務化された1977年以降に作られた飲食店や厨房には必ず設置されているのですが、このグリストラップには、大きく分けて「屋内埋設型」「屋内床置型」「屋外埋設型」の3種類があります。
グリストラップの種類と特徴
屋内埋設型
厨房の床に埋め込まれたグリストラップで、深さがあまりなく小~中規模の飲食店に設置されていることが多いタイプです。
浅いと容量が少ないという風に感じるかもしれませんが、底が浅い分面積を広く取ることで容量を増やすこともでき、20リットル程度の小型サイズから200リットル程度の大きめなサイズまであります。
ビルや商業施設など、2階以上の店舗は基本的に「屋内設置型」です。
浅いため日常の掃除がしやすいというメリットがありますが、店舗内に設置されているため、メンテナンスを怠っていると悪臭が店内に充満してしまいます。
屋内床置型
厨房の床(シンクの下など)に置く箱状のグリストラップで、個人経営のカフェなど、油をあまり扱わない小規模飲食店や、コンビニなどのように、元々飲食店ではない店舗が揚げ物などを提供するようになった場合に設置されることが多いタイプです。
埋設工事などの必要がないため導入コストが安く、設置のために店を休業する必要もないということがメリットですが、容量が10~40リットル程度と小さいため、店舗の規模や油の使用量によっては対応し切れないことがある、一度に大量の水を流すとグリストラップがあふれて油が流出することがあるといったデメリットもあります。
また、日常の掃除も意外とやりにくいことが多いため、あくまで「屋内埋設型のグリストラップを設置できない場合の代替品」と考えたほうがよいでしょう。
屋外埋設型
大型店舗や道路に面した店舗などに使用されることが多い屋外埋設型のグリストラップは、ほかのタイプに比べると60~600リットルと容量が大きく、槽も深いことが多いタイプです。
油脂の回収能力が高いこと、屋外に設置されているため悪臭で悩まされないことがメリットですが、大型で深いということから掃除がしづらく、清掃中に誤って転落すると大ケガをすることもあります。
そのため、清掃はプロの業者に依頼することが多く、メンテナンス費用がほかのタイプよりもやや高めになるというデメリットがあります。
まとめ
今回は設置場所ごとにグリストラップの種類と特徴を分類しましたが、このほかにも「プラスチック製」「ステンレス製」など、グリストラップの素材による分類や、「一槽分割型」「4槽連結型」など、グリストラップの形状による分類もあります。
素材や形状によって汚れやすさ、耐久性、適した掃除方法や洗浄剤が異なる場合もありますので、グリストラップのお手入れでお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。