排水管の詰まりは悪臭や排水の逆流などを引き起こし、詰まりがひどいと排水管の破損を招いてしまいます。
トラブルを防ぐには普段から排水管が詰まらないよう注意しなくてはなりません。
排水管詰まりの原因
飲食店では「油」が原因になることが多い
揚げ物調理に使った鍋やフライパン、脂身たっぷりの肉を盛り付けたお皿など、油汚れが付着した調理器具や食器は多くの飲食店で日常的に出る汚れものです。
油は温度が高いと液体になりますが、温度が低い状態ではベタベタとした半固形状です。
そのため、シンクから流したときはきれいに流れても、排水管のなかで温度が下がると管の壁面にはりつき、ほかの汚れや油を吸着しながら大きな塊を作ってゆきます。
さらに、油は水に溶けず水の上に浮く性質があるため、一度はりつくと「溶けてなくなる」ということもなく、管の底はもちろん側面や上面にも蓄積するため、排水管を簡単に詰まらせてしまいます。
意外と多い「異物」
油の次に多いのが異物による詰まりです。
つまようじや鶏肉の骨のような棒状の異物はもちろん、喫茶店などで利用されることも多い使い捨ての紙おしぼりを流してしまうというケースもあります。
また、ラップなども薄くて柔らかいため注意が必要です。
排水管詰まりの予防法
予防法1:油や異物を極力流さない
排水管づまりの原因の多くは油や異物ですので、原因となるものを流さないようにするのは基本中の基本です。
シンクに入れる前に食器をペーパータオルなどで拭いて残飯や油汚れを落とす、テーブルを片付けるときに食器とペーパーナプキンなどのゴミを分けて片付ける、揚げ油などの大量の油は廃油パックなどに捨てるなど、日常的な行動を改善することで排水管の詰まりを防ぐことができます。
予防法2:グリストラップを掃除する
一般家庭に比べて油汚れやゴミが多く流れる飲食店は、シンクから流れた汚れが排水管に侵入することを防ぐ「グリストラップ」が設置されています。
グリストラップにはさまざまな大きさや形状がありますが、どのタイプでも「油を浮かせて除去」と「ゴミを沈殿させて除去」という役割があります。
グリストラップにゴミや油がたまった状態になると排水管内に汚れが侵入してしまうだけではなく、トラップから水があふれ出る、悪臭や害虫発生の原因になってしまいますので、こまめに掃除をしてください。
予防法3:定期的にパイプクリーナーを使う
排水管内に付着した油を除去する効果があるパイプクリーナーを定期的に使用することで、管内に油が蓄積するのを防ぐことができます。
また、多少の詰まりであればパイプクリーナーで解消されることもあります。
ただし、パイプクリーナーで分解できるのはあくまでも油やタンパク質汚れですので、紙おしぼりやラップなどの異物が原因で起こっている詰まりは解消できません。石のように固まった古い油の塊に対する効果も少ないため、あくまで「予防」と考えたほうがよいでしょう。
パイプクリーナーには家庭用と業務用があります。飲食店の排水管は一般家庭よりも太いため、一般家庭用のクリーナーでは効果が低くなってしまいます。
クリーナー購入時は業務用であることを確認してから購入してください。
予防4:高圧洗浄を依頼する
高圧洗浄機を使用したプロによる排水管洗浄であれば、パイプクリーナーでは取りきれない汚れもきれいに除去することができます。
店舗の立地や間取りによっては排水管が長い、曲がった部分が多いなど、セルフメンテナンスが難しい事がありますが、プロによる掃除であればきちんと対処することができます。
業務形態などによって違いはありますが、1年に1回程度、グリストラップと排水管の洗浄を依頼するとよいでしょう。
まとめ
排水管つまりの予防は「面倒」に感じる作業もありますが、排水管が詰まると解消されるまで営業ができない、詰まりを除去するために高額な費用が掛かるなど、大きな経済的負担がかかってしまいます。
また、排水管の汚れや詰まりが原因で悪臭、害虫、食中毒などが発生すると人の健康や命を脅かしてしまう可能性があるほか、営業停止処分といった社会的処罰の対象になることもありますので、詰まりが起こらないよう予防することが重要です。
また、「水が流れにくい」「ゴボゴボと音がする」などの症状が出たときは排水管が詰まりかけている状態ですので、できるだけ早くプロの業者に清掃を依頼してください。