汚れを放置していると悪臭や害虫の発生原因となるグリストラップは、普段から管理を行うことで清潔に保つことができます。
管理のポイントは「バスケット」「油膜」「沈殿物」の3点です。
店舗でできるグリストラップの管理
まずは必要な道具を準備する
グリストラップ管理に必要な道具は多くありません。
- ゴム手袋とマスク
- グリストラップ清掃用の柄杓
- 密閉バケツ
グリストラップを掃除するときは必ずゴム手袋を着用してください。マスクはなくても掃除はできますが、悪臭対策とはねた汚水が口に入る事を防ぐためにもあったほうがよいでしょう。
油膜除去や沈殿物をすくう柄杓は、揚げ物調理に使う「カス揚げ」でも代用できますが、柄が短く作業がしにくいので専用の道具を使った方が作業が楽になります。
密閉バケツは、産業廃棄物である廃油や沈殿物を処理業者に引き渡すまでの保管に使います。密閉ではない蓋つきのバケツでもかまいませんが、臭いが漏れる可能性があります。
また、廃棄物処理業者から保存容器を借りることができることもあるので、契約時に問い合わせてください。
バスケットの管理は毎日行う
家庭のシンクで言うと「ゴミ受け」にあたるグリストラップのバスケットは、毎日掃除を行いましょう。
食品のクズがたまる場所ですので、放置していると腐敗して悪臭の原因となるほか、害虫やネズミのエサとなります。
バスケットに溜まった食品クズは産業廃棄物ではなく、一般の生ごみとして処理できますので、ゴミ箱に捨ててかまいません。
グリストラップのバスケット用の水切りネットも販売されているので、取り付けると掃除の手間を減らすことができます。
油膜除去は週に1回行う
グリストラップに溜まった水の表面に浮いている油膜を柄杓を使ってすくい取る作業は、週に1回程度行うとよいでしょう。
ただし、ラーメン店やステーキハウス、揚げ物料理の店など、油をたくさん使う店舗は週に2回程度行った方がよいかもしれません。
グリストラップ内に敷くことで油を吸着してくれるシートも販売されていますので、廃油がよく出る店舗の方は利用を検討してもよいでしょう。
なお、除去した油膜は「産業廃棄物」になりますので、ごみ箱には捨てず産業廃棄物業者に処理を依頼してください。
沈殿物の除去は月に1回行う
沈殿物は、バスケットの管理をしっかり行っていればそれほど溜まりませんので、除去作業は月に1回程度でかまいません。
バスケットにネットを取り付けていれば沈殿物の量も少なくてすみます。
沈殿物をすくうときは、大きなゴミなどが混ざっていないか目視でチェックして下さい。大きなゴミが混ざっているときは、バスケットが破損している可能性があります。
油膜同様、沈殿物も産業廃棄物になりますのでごみ箱には捨てず、専門業者に処理をしてもらいましょう。
まとめ
グリストラップの管理と掃除は手間がかかるため、どうしても「後回し」にしがちですが、放置していると汚れがどんどん溜まっていきますのでかえって手間がかかることになります。
悪臭や害虫の発生を防ぐためにも、なるべくこまめに掃除しましょう。
また、1年に1回程度、排水管の洗浄と一緒にグリストラップの洗浄をプロの業者に依頼すると、より安心です。