排水管の洗浄法は、大きく分けて「化学的洗浄法」と「機械的洗浄法」の二種類があります。
化学的洗浄法は配管掃除用の洗剤を使った洗浄法で、一般家庭など個人で排水管の洗浄を行うときに使用する市販のパイプ洗浄剤などが該当します。
一方、機械的洗浄法は、高圧洗浄機、特殊なヘッドのワイヤー、空気ポンプなどの機具を使った方法で、専門業者の多くが機械的洗浄法を用いています。
今回は、弊社が採用している高圧洗浄による排水管洗浄と一般家庭などで行えるパイプクリーナーを使った洗浄法の違いをご紹介します。
排水管高圧洗浄と一般的な洗浄法の違い
安全性
市販のパイプ洗浄剤は、食べ物のカスや髪の毛などのタンパク質の汚れを分解するため、強アルカリ性「次亜塩素酸ナトリウム」が主成分となっています。
次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤や消毒液、カビ取り剤などに広く使われている薬品ですが、毒性が強いため使い方に注意が必要です。
独特な臭いもあり、使用中は換気をしっかりしていないと吐き気や頭痛などの原因となります。
また、パイプクリーナーが配管の中に残った状態で酸性の洗剤や大量のお酢などを流すと、有毒な塩素ガスが発生してしまいます。
一方、高い圧力で水を噴射して汚れを剥がす高圧洗浄は、薬品を使用していないので安全です。
洗浄できる汚れの種類
次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性の薬品ですので、タンパク質の汚れを溶かす力はありますが、ポリ袋の破片、ヘアピンなど、タンパク質以外のゴミを溶かす力はありません。
また、タンパク質の汚れであっても大きく固まった油や、髪の毛と石鹸カスが絡まってできた塊などの汚れを溶かしきることはできません。
しかし、高圧洗浄であればゴミの種類を問わず押し流しますので、パイプクリーナーでは洗浄しきれない汚れもきれいに落とすことができます。
有効性の高さ
パイプクリーナーを使った洗浄法は、クリーナーで汚れを溶かし、その後水道水で溶けた汚れとクリーナーを洗い流すという方法です。
市販のパイプクリーナーはつけおき時間が決められていますが、この時間を超過してしまった場合、一旦溶けた汚れが再び固まってしまい洗浄効果が得られないだけではなく、排水管を詰まらせてしまうことがあります。
また、洗い流す水の量や水圧が十分でなかった場合も、溶けた汚れが排水管の一部に溜まってしまうこともあり、洗浄したからといって必ず効果が得られるとは限りません。
高圧洗浄は物理的に汚れを押し流す方法ですので、きちんと施工していれば確実な効果を得ることができます。
弊社は排水管洗浄を行った後、内視鏡で「汚れの落とし忘れ」等がないかチェックしています。
まとめ
パイプクリーナーを使った洗浄法は手軽でコストも少なくてすみますが、安全性や有効性などが低く、場合によっては効果が得られないどころか、症状を悪化させることがあります。
高圧洗浄機を使ったプロの排水管洗浄は危険な薬品も使わず、安全で確実に排水管の汚れを落とすことができるので、コストはかかりますが高い満足感を得ることができるといえます。